中小企業のSEO対策を現場で支援してきた中で、「SEOツールを入れた方がいいですか?」と聞かれることがよくあります。
結論から言うと、今はGoogle Search Console(サーチコンソール)とAIの組み合わせで十分対応できる、というのが私の実感です。
ただ、そう言い切ってしまうと元も子もないので、この記事では月1万円以下で始められるSEOツール5つを、私が実際に使ってきた経験を元に比較します。「本当に有料ツールが必要なのか?」を判断する材料にしていただければと思います。
私のSEOツール遍歴:GRCからサーチコンソールへ
少し個人的な話をさせてください。
私がSEOに携わるようになったのは2013年頃です。当時からずっと「GRC」という検索順位チェックツールを愛用していました。月額495円から使えて、登録したキーワードの順位を毎日自動で記録してくれる。シンプルで安くて、これ以上のツールは要らないと思っていました。
ところが、2025年にGRCがGoogleの仕様変更の影響でGoogle検索の順位を取得できなくなりました。復活を待ちましたが、結局目処が立たず解約することに。
その後、代替ツールとしてまずGMO順位チェッカーを導入しました。しかしデータの二次利用に関する規約が気になり、次にNobilistaに乗り換えました。Nobilistaは使いやすかったのですが、使い続けるうちにある疑問が浮かんできました。
「あれ、そもそもサーチコンソールのデータで十分じゃないか?」
結局、Nobilistaも解約。今は有料の順位チェックツールは一切使っていません。サーチコンソール+AIだけで実務を回しています。
GRC → GMO順位チェッカー → Nobilista → すべて解約。この遍歴を経て辿り着いた結論を踏まえて、各ツールを見ていきましょう。
中小企業がSEOツールを選ぶときに考えるべき3つのこと
高機能なツールを選べばいいというわけではありません。特に中小企業のWeb担当者(多くの場合、兼任ですよね)が選ぶべきツールには、3つの判断基準があります。
基準1:月1万円以下で始められること
SEOは効果が出るまで3〜6ヶ月かかります。成果が出るか分からない段階で高額なツールに投資するのはリスクが高い。まずは月1万円以下で始めて、効果を確認してからアップグレードするのが堅実です。
基準2:自分で使いこなせること
これは私がクライアントのSEO支援をしていて、強く感じるポイントです。
正直なところ、SEOツールをクライアントにそのまま触ってもらうことはほぼありません。なぜなら、知見がないとデータを見ても「で、何をすればいいの?」となってしまうからです。
私の場合、ツールでデータを取得したあと、クライアントが理解しやすい形にレポートとして整理してお渡ししています。ツールはあくまで「裏方」であって、使いこなせなければ意味がない。だからこそ、シンプルで分かりやすいものを選ぶことが大切です。
基準3:本当にそのツールが必要か考えること
これが一番重要かもしれません。
Web集客においてSEOだけに依存する時代は終わりました。
今はSNS、Web広告、MEO(Googleマップ対策)、メルマガ、YouTube…さまざまな集客経路があります。一つの経路に依存していると、そこが何かの理由でダメになったときのダメージが大きい。GRCがGoogleに対応できなくなって解約した私が言うのですから、間違いありません。
SEOツールに月額費用をかける前に、「そもそもSEOへの投資が自社にとって最優先なのか?」を考えることをおすすめします。
月1万円以下で使えるSEOツール5選 比較表
| ツール名 | 月額料金 | 主な用途 | 操作の簡単さ | 日本語対応 |
|---|---|---|---|---|
| Google Search Console | 0円 | 検索パフォーマンス確認 | ○ | ◎ |
| GRC | 495円〜 | 検索順位チェック | ◎ | ◎ |
| Nobilista | 990円〜 | 検索順位チェック(クラウド型) | ◎ | ◎ |
| Ubersuggest | 2,999円〜 | キーワード調査+競合分析 | ◎ | ○ |
| Ahrefs Starter | 約9,900円 | 被リンク分析+競合分析 | ○ | △ |
※ 価格は2026年4月時点の情報です。為替変動等により変わる可能性があります。
各ツールの詳細レビュー
1. Google Search Console(無料)── まずこれだけ入れてください
一言で言うと:全員必須。これなしでSEOは始まらない。
Google Search Consoleは、Googleが無料で提供する公式ツールです。自分のサイトが「どんなキーワードで検索されているか」「何回表示されて、何回クリックされたか」が正確に分かります。
使ってみて感じていること
正直に言うと、今の私はサーチコンソールとAIの組み合わせだけで実務を回しています。
サーチコンソールのデータをエクスポートして、AIに分析させる。「このキーワードで順位が落ちている原因は?」「どの記事をリライトすべき?」といった質問をすると、有料ツール顔負けの分析が返ってきます。
一昔前は、こうした分析をするために高額なツールが必要でした。でも今はサーチコンソール(無料)+AI(ChatGPTなど)で同等以上のことが可能になっています。
こんな方に向いている
- すべてのサイト運営者(必須)
- 有料ツールを入れる前に、まずこれで現状把握をする
2. GRC(月額495円〜)── 安さは魅力だが、今後が不透明
一言で言うと:長年愛用してきたが、Googleの仕様変更で出番が減った
GRCは日本製の検索順位チェックツールです。指定したキーワードの順位を毎日自動で記録してくれます。
私の実体験
冒頭でも触れましたが、私は2013年からGRCを使い続けてきました。月額495円からという圧倒的な安さと、日本語完全対応のシンプルさが気に入っていました。
しかし、2025年にGoogleの仕様変更でGoogleの検索順位を取得できなくなり、解約しました。2026年4月現在も完全な復旧には至っていません。
気になるポイント
- Google検索の順位取得が不安定(復旧の目処が立たない)
- インストール型のためMacでは仮想環境が必要
- UIがやや古い
今おすすめできるか?
GRCの安さは非常に魅力的ですが、Google検索に完全対応できていない現状では、積極的にはおすすめしにくいのが正直なところです。もしGRCが復活すれば、コスパ最強のツールに返り咲く可能性はあります。
3. Nobilista(月額990円〜)── GRCの代替候補。ただし私は解約しました
一言で言うと:クラウド型でMac/Windows問わず使える。使い勝手は良い
Nobilistaは、GMO順位チェッカーの次に乗り換えたツールです。最終的にはこちらも解約しましたが、ツール自体の出来は良かったです。
使っていた時の感想
画面はシンプルで見やすく、必要な情報は十分に揃っていました。クラウド型なのでPCを起動しなくてもデータが取れるのは、GRC時代にはなかった利点でした。
ただ、700キーワードで月額4,290円(税込)とGRCに比べるとやはり割高。そして使い続けるうちに「この情報、サーチコンソールでも見られるよな…」と思うことが増え、最終的に解約しました。
登録サイトやキーワード数が少なければ990円のプランで始められるので、「やっぱり順位チェックツールがないと不安」という方には選択肢になると思います。
こんな方に向いている
- GRCからの乗り換え先を探している
- Macユーザー
- クラウド型で手軽に使いたい
- サーチコンソールだけでは物足りないと感じる方
4. Ubersuggest(月額2,999円〜)── キーワード調査に便利
一言で言うと:どんなキーワードで記事を書けばいいか分からないときに頼れるツール
UbersuggestはNeil Patelが提供するSEOツールで、キーワードの検索ボリュームや難易度、競合状況がひと目で分かります。
実際に使ってみて良いと感じた点
- キーワードの検索ボリューム、SEO難易度が一目で分かる
- 「コンテンツアイデア」機能で、どんな記事を書けばいいかのヒントが得られる
- UIが直感的で、SEO初心者でもすぐに使える
気になった点
- 無料版はデータ取得回数に厳しい制限がある
- 日本語キーワードのデータ精度がやや荒い印象
- 被リンク分析は弱い
こんな方に向いている
- これからSEOブログを始める方
- 「何のキーワードで記事を書けばいいか」を知りたい方
- SEOの知識がなくても直感的に使いたい方
5. Ahrefs Starter(月額約9,900円)── 本格的にやるならこれ
一言で言うと:プロ向け。競合分析まで含めた本格SEOをやるなら
Ahrefsは世界中のSEO担当者が愛用する分析ツールです。特に被リンク分析の精度は業界最高クラス。
実際に使ってみて良いと感じた点
- 被リンク分析の精度が圧倒的
- 競合サイトの流入キーワードが丸見え
- サイトの技術的な問題も自動で検出してくれる
気になった点
- 月1万円近いので、中小企業には「ちょっと高い」と感じるライン
- 機能が多すぎて、初心者は何を見ればいいか迷う
- 英語UIが基本
こんな方に向いている
- 競合分析を本格的にやりたい
- 被リンクを意識したSEO戦略を取りたい
- SEOの基礎知識がある担当者がいる
私のおすすめ:サーチコンソール+AIから始めてください
ここまで5つのツールを紹介しましたが、私が今一番おすすめする組み合わせは「Google Search Console(無料)+ AIツール」です。
以前は検索順位を毎日チェックして、キーワードの動向を細かく追って…という作業が必要でした。でも今はAIが登場したことで、データの分析や解釈のハードルが劇的に下がっています。
- サーチコンソールでデータを取得
- AIに「このデータからどの記事を改善すべきか分析して」と聞く
- AIの提案を元に記事をリライト
この流れだけで、かなりのSEO改善が可能です。
もちろん、より高度な競合分析や被リンク調査をしたい場合はAhrefsなどの有料ツールが必要になります。でもまずは無料ツールで始めて、成果が出てきてから有料ツールを検討しても遅くありません。
最後に:SEOツールよりも大切なこと
この記事ではSEOツールの比較をしましたが、一つだけ付け加えたいことがあります。
SEOだけに集客を依存するのは、おすすめしません。
私自身、GRCがGoogleの仕様変更で使えなくなった時に痛感しました。SEOはGoogleのアルゴリズム変更一つで、これまで積み上げてきた検索順位が一気に下がる可能性があります。
今はSNS、Web広告、MEO、メルマガ、YouTube…さまざまな集客経路があります。なるべく複数の集客経路を作っておくことで、一つがダメになったときのリスクを分散できます。
SEOツールを導入する前に、そもそも自社にとってSEOが最優先の施策なのか。他にもっと効果的な集客方法がないか。そこから考えることが、実は一番大切なことかもしれません。

